以前、ゴルファーのスイングのクセを修正するためには高重量のスクワットよりも、体の使い方を改善する運動が最善という考えの矛盾と”高重量のスクワット”という曖昧な表現について、以下の記事を書きました。
「ゴルファーに高重量のスクワットが必要でしょうか?」このような文章をみたら
それに続くこの記事で伝えたいことは、
体のクセの修正方法を考える場合も、1人1人の事情を考慮することが大切
体のクセの修正には、体の使い方(技術)という安易に考えるのではなく、1人1人のなぜそのクセなのかを考えてから進める必要があるということです。
スイングのクセの要因は全て”体の使い方”にあるのでしょうか?
ここでは”体の使い方”という言葉の意味を、体の動かし方=使い方とし、その練習(トレーニング)するという理解で話を進めます。
使い方をここでは、技術として読んでいただいても大丈夫です。
スイングのクセ=体の使い方のクセ?
スイングのクセを体の使い方のクセに問題があると考えて、体の使い方を直す練習(トレーニング)をすることが、スイングのクセを修正するためのベストな方法なのかについて考えます。
クセ=体の使い方だから体の使い方を修正すれば考えたくなりますよね
言葉だけで見ると、修正できそうに思えますよね?
確かにスイングも体の動きですから、体の動きのクセを修正すればスイングも修正できると考えるのも無理はありません。
スイングのクセを直そうと意識をしても出来ないのが悩みでは?
ただ、スイングが意識して直せないのに、体の使い方は意識で変えられるのでしょうか?
体の使い方が意識だけで変えられるのであれば、意識をしてのスイングの練習をもっとすれば修正できそうに思えませんか?
でも、実際の悩みは”意識してもできない”ですよね?
この矛盾をどう説明したらよいのでしょうか?
意識をしても修正できないのは、使い方よりも体の機能に不足があるのでは?
中に絶対的に練習量が足りない方もいるかと思いますが、多くの方は、使い方を練習してもなかなか修正できないことに悩んでいるはずです。
意識して使おう(動かそう)としても出来ない場合は、体に何かそれを妨げる要因があると考える必要があると思いませんか?
例えば、ゴルフのスイングより単純な以下のような場合はどうでしょう?
痛みがなく怪我をしているわけではなくても努力しても腕が真上に上がらない
- 自分の腕だけでも上がらない場合
肩の関節や肩甲骨の動きが狭くなっていることが原因なら使おうと意識してもどうにもなりませんよね? - 重りを持つと上がらない場合
重りなど負荷をかけると上がらない場合は、筋力の不足が1番に考えられますよね?
意識しても出来ない場合は、体の機能に不足している能力があり、それがスイングの修正を妨げていないか考える必要があります。
使い方の前に適切な状態にあるのか?
体ではなく、車など道具で考えるともっとイメージが湧きやすいと思います。
ハンドルが真ん中でも、真っ直ぐ走らない車やバイクや自転車ではどうにか誤魔化しながら真っ直ぐ走ることは出来るかもしれませんが、カーブで誤魔化すことが難しく走ることは出来ないかもしれません。
直線での加速競争を、運転が遥かに上手いプロのレーサーが軽自動車、あなたがスポーツカーで競争をした場合、加速の差はプロの運転の技術でも補えないですよね。
使い方の前に、使う体が適切な状態にある必要があります。
何が原因で起きているクセなのかを考えるところから
クセをスポーツや実際の動作の中で気にしても修正が出来ない場合、最初に何が妨げになっているのかを考え、見つけるところから始める必要があります。その過程を経ずに安易に体の使い方の運動に絞ってしまうと、練習をしていることには変わりがないので少しは修正できるように感じられる時もあると思いますし、特別なことをやっている感は得ることが出来るかもしれません。でも、実際にその時にされている努力は、改善したいスイングの練習を気にしながらやっているのと変わらず、ゴルフの練習以外のトレーニング(練習)をする意味がありません。
反対に、体を変える作業は向上させい能力が(筋力、可動域、心肺機能など)によらず、やった瞬間にずっと変わるというようなことはなく、地道に一定の期間続ける必要があります。
ただ、適切なことをしていれば体は少しずつでも改善します。
まずは、なぜそうなるのか?をキチンと考え、そのための方法は急がば回れの心で実施することが大切ですね。