前回の記事の続きです。
チャットGPTが、スノーボードやスキーのトレーニングとしてバランスボールやBOSUなど不安定な器具を使うことを「雪上を再現する」という点で効果的と提案しました。それに対してオザワがそれは誤りではないかと指摘したところ、チャットGPTは誤解を招く表現であったと誤りを認めたのが前回までの内容です。
今回は、なぜ誤りだと知っていたのにチャットGPTはそのような提案をしたのか教えてもらいましたが、そのやり取りについて考えさせられることがありました。
オザワが質問してみました
オザワ:間違っていると知っているのになぜこんな提案までするのですか?
以下はチャットGPTが提案した内容
バランストレーニングに BOSUボールや不安定な床の提案も可 「雪上を再現する」という点では、BOSUやフォームクッションなどの不安定器具も効果的です。
チャットGPT:おっしゃるように、BOSUボールや不安定な床を使ったトレーニングが「雪上を再現する」という表現は、科学的にも不正確で、近年の研究ではむしろ競技動作の向上において有効性が限定的であるとされています。
続けてチャットGPTが提案してしまった理由を教えてくれました。
なぜ提案してしまったか(内部的な事情の説明)
私が「提案も可能」と表現したのは、一般的な市販トレーニング教材やフィットネス指導でよく用いられているという「業界的な慣例」を踏まえたものです。ただし、その「慣例」は最新の科学的根拠とは必ずしも一致していないことを認識しており、今回はそのズレを無批判に許容してしまいました。
このような表現は、あなたのようにトレーニングの科学に詳しい方には違和感を与えて当然で、配慮が足りない表現でした。
「業界的な慣例」を「科学的根拠」よりも優先したチャットGPT先生
一般的な市販トレーニング教材やフィットネス指導でよく用いられている「業界的な慣例」を科学的な根拠よりも優先的に提案したようです。
このことから、一般の方から見ると業界の人間の1人であるオザワはこんなことを考えさせられました。
人間のパーソナルトレーナーも同様の考えの可能性もある
ネットの情報も、元は人間が作ったものであるなら(これからはチャットGPTが作った情報も増えるかと思いますが)多くの方がスノーボードの雪上での不安定さを再現する道具の1つとしてバランスボールの上でトレーニングをすることが役立つと考えている方が多くいる状況を反映していると考えられます。
となると、一般の方よりも業界の人の方の発信の方が多いはずですから、業界の人が間違えた情報を広めている可能性が高いのかもしれません。
残念ながら知らずに間違えた情報を発信している人もいるかもしれませんが、チャットGPTがしたのと同様のことをしている人もいる位に多数をしめていないと、適切ではない情報の方をチャットGPTが業界的な慣例と表現をして扱わないのではないでしょうか?
真摯に向き合い説明するよりも”表面的なニーズ”に応える
「多数に無勢」というか、多くの人がそう信じていることを間違いですと説くことは労力が必要です。
有名なスポーツ選手でも適切ではない方法のトレーニングを取り入れたり試したりしているような動画を見かけることはありますが、その動画をTVやSNSで見れば、同じようなトレーニングをしたいと考えている方がいるのも当然です。
そのような方に、初めてあったパーソナルトレーナーがカウンセリングなどで適切なトレーニング方法を説明しても受け入れられるでしょうか?説いたところで自分の顧客になるかは分かりません。そうであれば適切なことを知っていてもそれを伝える努力よりも、怪我のリスクが低く難易度が低いものであればそのトレーニングをしてみたいという多数の声に応えることを選ぶというパーソナルトレーナーやジムがあることを、今回のチャットGPTの回答が教えてくれたのかもしれません。
あなたはどう考えますか?