トレーニングジムのSNSやWebサイトによくある言葉について考えてみましょう。
今回は・・・。
キツイ運動はしなくても大丈夫!
「キツイ運動はしなくても大丈夫」のような”キツく”ない運動でも効果が出ますよ!
という意味だと思います。体を動かすことに自信のなくトレーニングに不安を感じる人には響く言葉だと思います。
でも、トレーニングではその反対の言葉「No Pain!No Gain!」なんて言葉を使っているジムもある位なのに、本当にそんな上手い話はあるのか別の意味で不安になる人もいるのではないでしょうか?
あなたがしたいのは「運動orトレーニング」どちらかで変わる答え
あなたが”キツイ運動”をしなくても大丈夫か大丈夫ではないかは、ジムに行って運動とトレーニングのどちらをしたいかで答えが変わってきます。
運動とトレーニングの違い
この文章の中での運動とトレーニングの違いを簡単に確認しておきましょう。
運動は体を動かす活動全般を指します。
トレーニングは目的のために運動の方法を調整しコントロールして実施します。
運動はとにかく体を動かせばそれは全て運動ですが、トレーニングはそうではないということです。
運動をしたいだけなら”キツイ運動はしなくても大丈夫!”はアリ
運動をしたいのであれば、キツイ運動はしなくても大丈夫はアリです。
とにかく家でゴロゴロしているよりは、体を動かせば運動なのでOKだと考えていただければ大丈夫です。
ジム行く目的が楽しく体を動かす運動をしたいなら、キツイ運動をあえてしなくても問題ないというのは理解できますよね。
トレーニングであれば”キツイ運動をしなくて大丈夫!”はNG、でも安心してください
残念ながら、トレーニングとして運動を実施する場合、”キツイ運動をしなくて大丈夫!”はありえません。
それはトレーニングの原則の1つに”過負荷”というものがあるからです。
過負荷の原則を守れていない
過負荷の原則は、簡単に言うと現在のあなたが労せずして出来る強度よりも強い強度で運動を実施することです。
キツくないということは、あなたの今にとって余裕がある範囲と理解するのが一般的かと思います。
そうすると”キツくない”ではトレーニングではないということを理解していただけるのではないでしょうか。
とはいえガッカリしている人も多分、大丈夫です。
キツくない方が良いに決まっているけれど、多くの方はトレーニングはキツイと少しだけ覚悟が出来ている人だと思いますので。
”キツイ”というのは個人の主観であることがポイント
キツイというのは実施する人の主観的なもので、他の人が決めるものではありません。
あなたとスポーツ選手がキツイと感じる運動の強度は全く違うはずで
例えば、腕立て伏せが最高で5回出来るAさんと50回出来るBさん、本人にとってキツイと感じることに差はなくても、客観的にみた回数は違うということがあるは当たり前ですよね。
あなたにとって”少しキツイ”でOK=”無駄にキツイ運動”はしなくても大丈夫
少しキツイというのは、”無駄にキツイ運動をしなくても大丈夫”と理解していただければ大丈夫です。
ただこの「少しキツイ=トレーニング適量」を自分で見極めるのは難しいと思います。
適量を見極めるのがパーソナルジムの本来の優しさでは?
”キツイ運動は不要”とただ敷居を下げる優しさは、誰のためになるのでしょうか?
パーソナルジムができる誠実な優しさは、トレーニングで何かを変えたい方のために適量を見極めることではないでしょうか。適切な調整ができるパーソナルトレーナーに指導を受ければ、あなたの現状を見極めて少しだけキツイ(頑張る必要がある)内容でトレーニングを実施します。繰り返しますが、この”キツイ”というのは、あくまでやっている方の主観なので肉体的な限界だけはなく精神的な限界も含みます。
適量を見極めるのもパーソナルトレーナーの技量の1つと考えますが、それを放棄したかのように安易に「キツイ運動をしなくても大丈夫」という表現を使用するのは問題だと考えます。初心者の方に安心してもらうつもりかもしれませんが、長期的にみてパーソナルジムの役割とトレーニングについて適切に伝えるものではなく誰も得をしないのではないでしょうか。