“VBT(速度を基準としたトレーニング)”というトレーニングの方法を知っていますか?
筋力トレーニングを、スポーツのパフォーマンスアップのために出来るジムを探している方は、WebやSNSなどで見たり、聞いたりしたことがあるのではないでしょうか?
速度に目を向けるという考えは以前からありましたが、最近の流行はスマホのアプリや手軽な計測機器の登場によって以前よりも速度を簡単に計測出来るようになったことが、最近あらためて注目されている背景にはあると思います。
でも、最新に見える方法がベストとは限りません。
トレーニングの動作の速度を測れることが、より良いトレーニングをする助けになるのでしょうか?
そしてVBTという方法はどうなのでしょうか?
負荷(重量)や量の調整に、速度の変化を利用する
VBTは負荷(重量)や量の調整に、速度の変化を利用する方法です。
速度の低下は疲労のあらわれ
トレーニングをされたことをある方なら分かると思いますが、回数を重ねると少しずつ挙げる速度が遅くなりますよね。時には挙げきる前に止まってしまい、挙げることができなかった経験をしたこともあるかもしれません。
この様な現象が起きるのは、疲労が原因ですよね。
その時の(疲労度)に合わせて負荷を調整するために速度を利用する
速度をどのように利用するかというと”速度が遅くなるのは疲れてきたから”という関係を利用し、疲労の影響で生じる速度の低下に合わせて重量や量を調整します。
考え方に可能性はあっても、従来の方法を超えるメリットなくオススメはできない
考え方は使えそうな可能性がありますが、従来の方法を超えるメリットがあるわけではなく。実際にオススメできる方法かというと少なくとも現段階ではそうではないと言えます。
速度に目を向けることでフォームが疎かに
速度は色々な意味で人を狂わせます。
筋力トレーニングの場合、速度を意識するとまず影響を受けるのはフォームです。
速度に意識をフォーカスして最大限の努力した結果、フォームが崩れるのであれば本末転倒です。
”速度は結果だから、フォームに集中してください”
そのように伝えたとしても、数字で明確に出ることとやはり最大限努力をすればするほど速度も無視するのは難しいのが実際かと思います。
(トレーニングでは重量に囚われると同じことが起きますが、パーソナルトレーナーやS&Cコーチが重量は最初から適切な重量をセットする場合は、問題は生じません)
正確な速度が測れない
バーベルにつけるタイプの機器の測定方式やスマホのアプリなど画像を使った測定では、このトレーニング方法に使用するために必要な精度のある、妥当な速度の計測は得られないことも指摘をされています。
基本的なことを確実に実施することが大切
新しく見えるものも、実際は随分前からあったものが少なくありません。
前からあったのに主流にならないのは、それなりの理由があるからです。
特に筋力トレーニングの方法は、従来からの方法を適切な方法で実施し続けることが全てのベースとなると考えて長期的な視点で取り組むことをオススメしますよ。